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尾道にズルタニという駄菓子屋があった

ズルタニとクマガイ:第一節



尾道にズルタニという駄菓子屋があった。
私は幼稚園の頃からクマガイとズルタニという2つの
駄菓子屋を利用していた。

利用していたというと、違和感がある。
それは僕等にとって駄菓子屋は今で言うコンビニとは
違っていたからだ。僕等にとっては一種の社交場というか
それは単にお金と商品を交換する場所ではなく
別次元の色々な文化をそこから発信していたのは確かだった。

メディアというのだろうか。
今の小学生がコロコロコミックから遊びのきっかけを
得ているのと似て、駄菓子屋は僕等にそれなりの
遊びの波を定期的に起こしてくれていた。
すこし違うのは、駄菓子屋は決してトレンドを創造せず
僕等がその宇宙のなかから材料を見つけだしては
能動的に遊びのトレンドを巻き起こしていた点だろうか。


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