もうホームランバーの木の汁を十分に飲み込みながら
マコト君はホームランバーの棒をくわえ、上下に噛み漕ぎながら
いよいよクジ入った箱をのぞき込んだ。
「チョイマチ!わいにやらしてくれーや」ツトム君も
ズルタニの店内に早足で入ってきた。
「うるさーのー」マコト君は少し腹をたてた。
それもそのはずだ。マコト君はじっくりクジ券を
観察したかったのに、ツトム君の大騒ぎで
ズルタニのおばちゃんがマコト君達に気づいてしまったのだ。
「にじゅうえんじゃ」おばちゃんは単刀直入だった。
マコト達は、ズルタニのおばちゃんが接近してきたら
早々に用件を達せなければならない事を知っていた。
もしも20円を支払わず、このままクジを検討していると
「ありゃありゃ、そがーにズリーことしょうたら
ケエサツにきてもらわにゃーいけんわあ」とおばちゃんの
強烈な非常事態発令がおき、店内の子供達の注目を浴び
子供の世界での賞罰にも似た十字架をつきつけられる事に
なるという、なんとしても回避せねばならない
悪のシナリオが待ちかまえているのだった。
マコト君のクジのゆくえは、次回のお楽しみに。