おばちゃんの素早さはノンストップだった。
なんともう開封作業を終えて、幸福のキップの中身を
細い目で確認しているではないか。
さらに確認作業の終わった幸福のキップはおばちゃんの
エプロンのポッケにワープしていた。
しかもポッケに入った後おばちゃんの手によって
グジャっと握りつぶされている気配をマコト君は
見逃さなかった。
次の瞬間おばちゃんの口から「あいあい、ありがとね」
の言葉が飛び出し、自動的な動きで6等のピンポン玉に
手を伸ばした。
ツトム君が「なんじゃはずれかっ」とぼやいた。
皆さん6等のピンポン玉は既に全部出ていて一つも
残っていないのをご記憶だろうか!!
「のーなっとらー」おばちゃんはぼそっとそう言うと
棚の奥から新品の景品シートを取り出し、ビニール袋から
下のほうだけ覗かせて、6等のピンポン玉をはずして
マコト君に手渡し、また自動的に別の子供の元に移動していった。
マコト君は酔拳の実演のように、フラフラに歩きながら
抜け殻になった心と体で、ツトム君に
「おみゃーがいらんことゆーけーどー」
と、割り切れない思いを暴発させるのだった。